乳糖不耐症

乳糖不耐症とは、腸がミルクや母乳に含まれる乳糖という成分を分解・吸収できないことで、下痢や消化不良を起こしてしまう病気です。乳糖不耐症には、生まれつきの体質である「先天性」と、腸炎により腸がダメージを受けた後に発症する「二次性」がありますが、ここでは、乳幼児によくみられる二次性乳糖不耐症について解説します。

特徴

乳幼児(主に0~2歳未満)が、胃腸炎などをきっかけに下痢が長引き、特に乳製品(育児用ミルク、母乳も)を摂ると下痢がひどくなるのが特徴です。

下痢以外には、おなかの張り、酸性臭(すっぱい臭い)の便も特徴です。下痢が重度な場合は、体重増加不良の原因となる場合もあります。

原因

正常な小腸の粘膜には乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が存在しますが、ウイルス性胃腸炎などで小腸粘膜がダメージを受けるとラクターゼが減ってしまいます。この状態でミルクや母乳など乳糖を含む食物を摂ると、乳糖が分解されず腸内に残ってしまいます。腸内に溜まった高濃度の乳糖が水分を引き寄せることで下痢になります。吸収されない乳糖は小腸から大腸に入り、腸内細菌により発酵してガスが発生することでお腹の張りや酸性臭便の原因となります。

治療

胃腸炎を発症してから2週間くらいまでは、通常の下痢に対する治療だけを行なうのが普通です。それ以上下痢が続き、しかも乳製品を摂ると下痢をするといった場合に二次性乳糖不耐症が疑われます。治療としては、乳糖の分解を助けるために、乳糖分解酵素剤の服用があります。また、ミルクを飲んでいるお子さんの場合、乳糖を含まないミルクに替えて様子を見る方法もあります(表参照)。これらのミルクは医師の指示なしでもドラッグストア等で購入できますし、栄養的な問題はないので、下痢が治りにくいと感じたら替えてみてもよいと思います。ただ、このようなミルクに替えた場合、2週間程度経過したら徐々に普通のミルクに戻していきましょう。また、これらのミルクは味がかなり独特なので、嫌がる赤ちゃんもいます。離乳食を食べている赤ちゃんであれば、おかゆやうどん中心の食事にして、ミルクや母乳の量を減らすことでも改善が期待できます。

 

ミルクアレルギーへの使用

大豆成分

その他

森永ノンラクト

NG

あり

 

森永ニューMA-1

OK

なし

味が独特

ボンラクトアイ

NG

あり

 

ペプディエット

OK

あり

味が独特

明治ミルフィーHP

OK

なし

 

最後に

二次性乳糖不耐症の下痢は、治療にあまり反応せずに長期に続く場合もあります。色々試しても良くならないようなら、しばらく様子をみてみるのも悪くないと思います。胃腸炎で傷ついた腸粘膜が良くなるには、月単位とやや時間がかかることもあります。なかなか治らないと不安になってしまいますが、お尻のケアと体重の確認をしつつ、しばらく様子をみているのも一つの選択肢です。いずれ必ず治ります。