乾燥肌

子どもの肌は乾燥しやすい

生まれてしばらくの赤ちゃんは、お母さんからのホルモンの影響で脂っぽいお肌が特徴です。それが、生後1か月を過ぎる頃から、乾燥が目立ちはじめます。赤ちゃんのお肌は表面(角質層)が薄いためバリア機能が弱く、加えて皮脂が少なく乾燥することでトラブルが多いのが特徴です。

特に、空気が乾燥しやすい秋から冬にかけては、肌の乾燥がより一層ひどくなる季節で要注意です。

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乳幼児期に薄かった角質層は、成長に伴い、次第に厚くなっていきます。

また、10歳を過ぎる頃になるとホルモンの影響で皮脂分泌量も増えていき、脂っぽい肌になります。この頃には、乾燥による皮膚のトラブルは少なくなっていきます。

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乾燥肌に伴う肌トラブル

乾燥肌とは、肌の表面の皮脂層が少なく、バリア機能の弱くなった肌です。バリア機能の弱い赤ちゃんの肌には、ちょっとした刺激(よだれ、食べこぼし、汗、汚れ、スタイや衣服の繊維、洗剤、肌と肌のこすれ等)も浸透しやすく、その結果、かゆみや炎症が起きます。肌の表面に炎症が起こると、赤くなり、ザラザラ、ごわごわ、ブツブツとした質感となり、かゆみが強くなります。この状態が「湿疹・肌荒れ」です。

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スキンケアの重要性

スキンケアとは、皮膚の汚れを落として清潔にすることと、保湿して皮膚のバリア機能を補うことです。保湿剤には、肌の表面に保湿膜を張り、バリア機能を強化する効果があります。特に乾燥している子どもの肌は、刺激が浸透しやすいため、保湿剤によるバリア機能の強化がとても大事な役割を持ちます。

 

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お風呂上りと朝の着がえ時の2回、全身を保湿し、乾燥しやすい部分にはさらにこまめに塗りましょう。たっぷりと使うことも大事です。しっかりと保湿することで、乾燥を防いで、湿疹や肌荒れを予防しましょう。

また、赤ちゃんの時からしっかりと保湿ケアを続けると、アレルゲンが皮膚から体内へ侵入することを防ぎ、将来、食物アレルギーや喘息になりにくいということがわかっています。毎日ケアを続けることは大変ですが、赤ちゃんの将来のアレルギーを予防しているというモチベーションを持つと、やりがいが見えて続きやすいでしょう。

湿疹・肌荒れは保湿では治りません

「湿疹・肌荒れ」の本態は「お肌の炎症」なので、治すためには、炎症を治す薬=ステロイド外用剤を使います。ひと昔前は、ステロイドと聞くと、強い薬で副作用が心配と思われがちでしたが、現代では、赤ちゃんの湿疹にも日常的に使われる安心な薬との位置づけで、合ったものを使えば副作用が問題となることはありません。塗り方は「しっかり塗って早く治す」がポイントです。

ステロイドで治るのは「湿疹」であり、「湿疹のできやすさ」ではありません。「湿疹のできやすさ」は子どもの肌が持つ特性なので、湿疹が一旦治っても、しばらくしてまたできることもよくあります。そういう場合も、できる度にステロイド外用剤できれいに治しましょう。「塗ると治るが、やめるとまたすぐにできる」を短期間で繰り返す場合は、それに合った塗り方がありますので、自己判断で中止せずに相談して下さい。

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