おたふくかぜ

おたふくかぜは、正式名称が流行性耳下腺炎といい、ムンプスとも言います。5~10歳くらいの子どもに多い病気です。ムンプスウイルスが鼻やのどから入ってうつります。うつっても症状が出ない場合(不顕性感染といい、この場合でもムンプスに対する抵抗力はつきます)が30%程度あります。

おたふくかぜ

① 潜伏期(感染してから発病するまで)は16~18日です。

② 潜伏期を過ぎると、耳の下(耳下腺)が突然腫れて痛がります。

③ 多くは片側の耳下腺が腫れた後,1~2日以内に反対側も腫れますが、片側だけのこともあります。また、顎の下(顎下腺)が腫れることもあります。

④ 腫れは約1週間で、熱は3~4日で落ち着きます。熱が出ない時や顎の下だけ腫れることもあります。

治療と予防

ムンプスウイルスに効果のある薬はありません。熱や痛みをおさえる薬を処方します。痛みが強い時は冷湿布などを貼ると気分がまぎれてよいでしょう。

おたふくかぜは、予防接種により予防できる疾患です。ワクチン接種により体に抗体ができ、おたふくかぜにかかりにくくなり、また重症化も防ぐことができます。現在のところ任意接種ではありますが、ぜひ、1歳を過ぎたら予防接種を受けることをお勧めします。

家庭で気をつけること

  ①  食 事 :すっぱいものや、よく噛まなくてはいけない食べ物は避けましょう。よけいに痛くなります。

   プリン、ゼリー、アイスクリーム、さましたおじや、グラタンなど口あたりのよいものを与えましょう。

 

 ②  入 浴 : 高い熱があるときや、痛みの強いとき以外は、入ってもかまいません。

 

 ③  合併症 : 髄膜炎、膵炎、睾丸炎、難聴などがあります。

   頭痛が強く何度も吐くとき、熱が5日以上続くとき、1週間たっても腫れがひかないとき、睾丸を痛がる時、耳鳴りやめまいをいうときは診察を受けてください。

 

片方しか腫れなかった場合

おたふくかぜの子どもとの接触が不明で、片方しかはれずになおった場合は、おたふくかぜではない可能性もあります。この場合は、血液検査をすればおたふくかぜかどうか確かめることができますのでご相談して下さい。

まとめ

病原体

ムンプスウイルス

感染経路

飛沫感染・接触感染

潜伏期間

1618

周囲に感染させうる期間

耳下腺の腫脹前3日から腫脹出現後4日間が感染力が強い

登園・登校基準

耳下腺の腫脹が発現してから5日を経過するまで、かつ全身状態が良好になるまで