急性中耳炎

急性中耳炎は、鼻カゼなどがきっかけとなって、鼻やのどにいるウイルスや細菌が耳管(鼻の奥と中耳を連絡している管)を通って中耳に入り炎症を起こしたもので、ほとんどの場合は、カゼに引き続いて起こります。ウイルス性の急性中耳炎もありますが、多くはウイルス感染(カゼ)の後に鼻咽頭(鼻の奥の部分)から耳管経由で細菌の感染が起こり中耳炎が発症すると考えられています。

急性中耳炎は、生後1歳までの乳児の63~85%、2歳までの66~99%が罹患するといわれており、乳幼児に非常に頻度の高い疾患です。

子どもに中耳炎が多い理由

①カゼをひきやすい

急性中耳炎は、ほとんどの場合が、カゼに引き続いて起こります。乳幼児期は、細菌やウイルスから体を守る働きが弱い時期です。特に、保育園に通っているなど、子どもの集団の中で他児との接触機会の多い児では、頻繁にカゼをひくことになります。鼻水を伴う場合には、うまくかむことができないため、すすってしまうことが多くなります。鼻水をすすることにより鼻水が鼻の奥にたまってしまい、耳管からウイルスや細菌が入り、より中耳炎を起こしやすくなります。

②耳管の構造

子どもは大人と比べて、耳管が太く短い構造になっており、しかも耳と鼻がほぼ水平の位置関係にあります。これにより、耳管がつながっている上咽頭に細菌やウイルスがいると、太くて水平な耳管を通って、簡単に中耳に侵入しやすくなっています。

耳管は、成長するにしたがって細長くなり、さらに耳のほうが鼻よりも高い位置になっていきます。そうなるにしたがって、細菌やウイルスが耳管を通って中耳に侵入しにくくなるのです。

症状

極初期には無症状ですが、炎症が進むにつれて、耳の痛み、聞こえづらさ、発熱、耳がつまった感じがするなどの症状が表れます。さらに炎症が強くなると、鼓膜が穿孔(穴が開あく)し鼓室に溜まった耳だれ(耳漏)が耳の外に出てきます。

 

乳児の場合では痛みを訴えられないので、機嫌が悪くぐずったり、しきりに耳へ手をやったりすることがあります。夜泣きや食欲低下の原因になる場合もあります。

特に、頻繁に耳をさわり気にする時は中耳炎を疑ってみるといいと思います。

鼓膜の所見

急性中耳炎では、鼓膜から中耳鼻腔が炎症をおこすため、鼓室には分泌液や膿がたまり、鼓膜は充血して腫れます。診察では、この所見を確認することによって急性中耳炎と診断します。

(左)正常の鼓膜膜                    (右)中耳炎の鼓膜

治療

急性中耳炎の炎症は、細菌の感染が原因となっている場合が多いため、通常は、抗菌薬(抗生物質)の飲み薬を5日から7日くらい使用します。多くの場合、これで鼓膜の充血や腫れはおさまり、鼓室の分泌液も数週間後には消失します。鼓膜の炎症所見が軽度の場合は、自然に治ることも多いため、抗菌薬を使わずに経過をみます。

抗菌薬による治療でよくならない場合で、鼓膜切開が必要なケース等では、耳鼻科医へ治療をつなぎます。中には何度も繰り返すケースや、滲出性中耳炎へ移行するケースもありますが、年長になると減っていく病気なので、過剰な心配はいりません。

小児科は「子どものかぜ専門科」です。そして「かぜに中耳炎はつきもの」です。子どもがかぜをひいたときは、耳の中を見て中耳炎があるかどうかチェックしてもらうことが大切です。